例えば、入居寸前で「やっぱりロフトに上がるのはタラップでは嫌だ・・」とお嘆きではありませんか?
あるいは、生活を始めたあとで「昇り降りしていると足の裏が痛かったり、物を持って上がるのが不安定だ・・」「子供の転倒(怪我)が心配だ・・・」とお悩みではありませんか?
では、タラップを鉄骨階段に交換するにはどうすれば良いか?どんな階段なら施工できるか?このページで解説いたします。
ココを乗り越えればタラップから階段にできる
入居直前の場合(入居後は当然ですが)、お部屋の内装は全て仕上がっています。
ロフトに上がるために設置されたタラップを、あとから鉄骨階段に交換するためには、いくつかクリアすべき課題があります。
【搬入ルートが確保できるか】
すでに壁面や床も仕上がっているため、階段を重機で吊り下ろす等の作業ができないので、搬入路が玄関やサッシなどに限定されます。(外部階段なら全く問題ないのですが・・)
【養生への相互理解と協力】
小さな設備ならともかく、鉄骨階段ぐらいの大きな設備を入居後(寸前)に室内に入れようとすると、搬入時に壁や床を傷つけてしまう可能性があります。弊社でもできうる限りの養生を行いますが万が一のことがあるので工務店さんなどを通してのご依頼となることもあります。
他にも現場によっては課題があるかもしれませんが、この2つの課題を乗り越えれば室内階段への交換工事は一歩前進します。
階段を「バラバラ」で持ち込み、室内で組み立てる
搬入ルートが確保できても、鉄骨階段を「丸ごと」搬入できない場合は、階段をバラバラにして室内で組み立てるしかありません。
本来であれば、工場で製作した鉄骨階段を重機(クレーン)を使って吊り下げながら施工するのがオーソドックスな工法ですが、建物(室内)完成後となると、サッシや玄関ドアなどの出入り口の広さに合わせて小分けにした階段を作る必要があります。
今回の現場でも「丸ごと」での搬入が厳しかったので、パーツ別にバラバラにして室内に搬入する必要がありました。
工場で製作した鉄骨階段を、プラモデルのようにパーツ分けして室内に搬入します。「ノックダウン型」とも呼ばれる作り方です。
階段のササラ桁や梁受け金物、手摺など、全てをパーツ別に小分けして作り、塗装も事前に施して室内に運びます。なお、工事においては室内での溶接作業ができないので、火を使わない「ボルト組み立て式」で行います。
また、室内で溶接が可能な場合の室内階段工事例もあります。(元請様の徹底管理のもと実現)
各パーツをボルトで組めば鉄骨階段の完成!
ササラ桁(階段の両サイドの鉄骨)は長さが4M近くあるために、室内に丸ごと持ち込めませんでした。
そこでササラ桁を2分割してジョイント部(継ぎ目)を設けて、部屋の中でボルトで組みます。この要領で「手すりパーツ」「梁受金物パーツ」「段板受けパーツ」「ササラ桁パーツ」を室内でプラモデルのごとく組み立てていけば完成。無事にタラップから鉄骨階段への交換ができました!
段板の木材は大工(工務店)さんにお願いして、鉄板の下からビスで固定してもらいました。
「これで安心してロフトに上がり降りできる」「子供が安全に昇り降りできる」とオーナー様にもご満足いただけました。
いろいろと条件の付く工事となってしまいますが、そこはオーダー製作だから達成できること。「搬入経路」や「室内施工の段取り」の問題をクリアできれば「タラップから鉄骨階段への変更」は可能です。
また、クレーン重機を使った内装リフォーム階段工事の施工例もあります。
広い搬入経路が確保できるケースでは、軽量のスケルトン階段の施工も可能です。