地上から直接屋上に上がれるように螺旋階段を工事してきました。加工も施工もできるだけ簡便にしたことや、現地での敷地の広さ、搬入経路の十分な確保など、様々な条件と相まって今回のスケルトン螺旋階段はデザインも費用もシンプルにできました。
◆ もくじ ◆
居抜きの工場にスケルトン螺旋階段を工事する
もう使われなくなった工場を居抜きで使って写真スタジオにされるお施主様からご依頼をいただきました。もともとは何もなかったスペースに屋上へ上がる鉄骨螺旋階段を設置することになりました。
写真はまだ螺旋階段が施工される前です。地上から屋上までだいたい6mくらいです。かなり高い。メンテナンス用に小さなサビ切ったタラップがありましたが昇り降りするのに腰が引けます・・。
螺旋階段の接地面を作る
螺旋階段を設置する地面の部分を均し、ケミカルアンカーという杭のようものを前もって打ち込みます。テントでいうところのペグのようなイメージです。
ここにモルタルを盛って設置面を平らにしていきます。ここが螺旋階段の足元をしっかりと抑える、縁の下の力持ちの土台になります。
螺旋階段を重機で吊り上げる
工場で完成状態まで作り上げた螺旋階段をトラックで現場まで搬入してきました。重機を使って設置場所まで慎重に階段を移動していきます。
螺旋階段本体とミニ階段を現地で溶接
屋上まで上がったあとはパラペット(屋上の外周の立ち上がり)を跨いで床面に降りるための小さな階段を別々に製作しておきます。
この小さな階段と螺旋階段の本体を現場で溶接して組み立てていくのです。お客様にも喜んでいただけました!
コストを意識したシンプルな螺旋階段が人気
螺旋階段は同じ設計図のものを使い回すことができないので、常に世界にひとつの製品になり、そのコストも比較的な高い部類に入ります。
しかし、この螺旋階段の用途はスタッフの昇降が主であり、来客者の利用頻度が少ないため、できるだけ低コストにすることも優先されています。
まず、使用する鋼材をできるだけシンプルなものを選定。ステップはチェッカープレートをZ曲げ(ジグザグに曲げる)にして、手摺も丸棒を縦格子にしつつ、ステップ補強を兼ねています。
また、外周にササラ桁を作ってしまうと強度はしっかりますが、重量も増えて加工費用もアップするため、今回はササラ桁を使わないスケルトンの螺旋階段を作っています。
鋼材と加工方法ができるだけシンプルにして螺旋階段の費用を抑えることができます。また、同時に見た目の美しさからも、このタイプのシンプルなスケルトン螺旋階段が人気です。
デザインも費用もシンプルなスケルトン螺旋階段へ
今回の鉄骨階段は工場を居抜して写真スタジオへと変貌をとげた建物のスケルトン螺旋階段でした。施工前と施工後の写真を並べてみましたがどうでしょう?わかりやすいですね。最初からこうやって写真を並べれば良かったと後悔してます・・。
加工も施工もできるだけ簡便にしたこと、現地での敷地の広さ、搬入経路の十分な確保など、今回のスケルトン螺旋階段はデザインも費用もシンプルにできました。
この螺旋階段はあとから塗装をされるわけですが・・・あれ?この階段をバックに写真撮れそうじゃないですか?あ、親バカですか?