アパート鉄骨階段の交換で気を付けることがわかる。

重機(ユニック)を使用して階段を交換する

階段がまだ元気なうちに「鉄骨階段の勾配(角度)をゆるくしたい」というお問合せをアパートオーナー様から時々いただきます。

階段の老朽化が理由ではなく、階段利用の都合上によるご希望ということで、私たち鉄工所の立場からしても「なるほど!そういうご希望があったのか!」と、ホームページを開設してから勉強になった出来事です。

そこで今回は、アパート鉄骨階段を交換するときに気を付けておきたいことをご紹介します。

アパート鉄骨階段を交換するとき気を付けること

鉄骨階段を角度のゆるいものに架け替える

もちろん階段の角度をゆるくする工事はできます。とはいえ、勾配(角度)を変えるということは、イコール「鉄骨階段を交換する」ことになります。でも元の鉄骨階段を撤去して、新たな鉄骨階段に交換する間は「鉄骨階段がない」状態になり、居住者の昇り降りができなくなります。

鉄骨階段の交換は「タイミング」が重要

アパートによっては手前と奥で階段が2つ以上ある場合があります。この場合は順番に交換するなどすれば、居住者の階段利用に支障は出ませんので、この辺りの工事タイミングの検討が重要になってきます。

もし、ひとつしか階段がない場合でも、一日のうちに交換することもできますが、朝から夕方まで階段が利用できなくなります。

どちらのタイミングにせよ、アパートの居住者の皆さんへのアナウンスが必要になるでしょう。

鉄骨階段の勾配(角度)をゆるくする背景

交換し新調された鉄骨階段は角度が変更されている

写真は、元の鉄骨階段を撤去し、重機(クレーン)を使用して新しい鉄骨階段を交換し架け替えた状態です。

以前の階段の角度は45度くらいでした。階段としては適当な角度でしたが、ご高齢の居住者がいらっしゃるなどの事情によって階段の角度を緩やかにしたものです。

ちなみに、もし「予算がない」「階段が1基しかなく交換が難しい」場合でも、階段自体は交換しないで、昇り降りがしやすいような手摺を製作して取付るだけでも、かなり違います。急な階段を手摺なしで降りるのは怖いものです。

鉄骨階段を交換するなら利便性も考え直すチャンス

新調された鉄骨階段を前から見ている。目隠しはポリカーボネイト板

新しく施工された「角度をゆるめに再設定」した鉄骨階段です。

以前の階段には屋根がなく、また格子手摺がついていましたが、今回の鉄骨階段の交換を機会に屋根を取り付けて目隠としてポリカーボネイトを使いました。

鉄骨階段の交換はそれなりの費用と時間と、何より居住者の方へのケアが必要になります。せっかくそこまで工事をするなら、新しい鉄骨階段を「ただ交換する」よりも費用対効果を上げることを考えることをオススメします。

鉄骨階段を交換したい

(なぜ?)

ご高齢の居住者の方が使いやすいように

(1)鉄骨階段の勾配(角度)をゆるくする(最初のご希望)
(2)屋根をつけて日差しから居住者の方を守りたい(隠れたご希望)
(3)プライバシーを保護したい(隠れたご希望)

これらの「隠れたご希望」は実際にお住まいの居住者の方からヒントをもらえるかもしれません。せっかく鉄骨階段をリニューアルするのならば、これを機会に階段の利便性をもう一度考えてみることをオススメします。

鉄骨階段の交換は鉄骨工事だけでは完結できない

階段の屋根材もアクリルの波板を使用して新しくしました

鉄骨階段を改造、改修するケースは老朽化対策以外にも、今回のような生活環境の変化による背景も見えてきます。

しかしながら、鉄骨階段を架けかえるとなると、基礎工事や塗装工事、場合によっては足場工事や大工工事も関わってくる、総合的な工事になる場合があります。また、居住者アナウンスは必須です。いろいろと検討しないといけないことがあります。

そのようなご相談でもしっかり対応させていただきますので、お気軽にお問合せください。