2年に1度くらいの頻度で定期的にご注文をいただく「看板工事用の鉄製ハシゴ」があります。ネットがきっかけで屋外広告業を請け負う看板屋さんとかれこれ10年近いお付き合い。当社で製作するこの特注ハシゴの秘密は、見た目では判断できない「軽量」と「頑丈」。そして「耐久力」です。
◆ もくじ ◆
なぜアルミ製品ではなく、特注の鉄製ハシゴが選ばれる?
ちょっと検索すれば、看板工事用ハシゴとしてアルミ製の既製品がたくさんヒットします。これらの製品は大量生産しているから値段も安いし、アルミ製なので軽く、またサビにも強いです。
ではどうして、わざわざ重い鉄材を作ったハシゴを注文いただけるのか?
プロの看板屋さんからすると「希望する高さや仕様で作ってもらえるのが魅力。ちょっとぶつけてヘコむようなハシゴでは、すぐに消耗してしまう」のだそうです。
プロとプロで「良いもの」を作ろう!
「看板工事で使うハシゴを作ってもらいたい」とお電話をいただいたのは、かれこれ10年くらい前になります。さっそくご来社いただき、看板工事で求められるハシゴの理想像を教えてもらいました。
私たちは鉄工所として「理想像」に応える良いものを考えます。お互いの意見を出しながら「機能的で軽くて頑丈なハシゴ」を目指していきます。
軽いこと。強いこと。便利なこと。あとひとつ。
「軽量で頑丈で使い回しが良い」ハシゴを作るにはどうしたらいいかな?
軽いこと。いきなり難関です。アルミと比べると鉄の欠点になる重量。この問題についは通常鋼材ではなく、肉厚の薄い特殊鋼材を取り寄せて製作。限りなく重量をそぎ落として設計されています。4.5Mの長さがありますが、職人さんがひとりでひょいっと持ち運べます。
強いこと。細く作っても強度を維持しやすいのが鉄の良いところ。この点はアルミ製品にはない大きな特徴です。とはいえ、厚みが薄く線も細い鋼材同士を溶接するのはちょっとした工夫をしています。こちらは企業秘密 (^^)
便利なこと。この部分はとくに看板屋さんの意見をふんだんに活かして作ってあります。全てを公開はできません(看板屋さんのノウハウなので)が、例を挙げると一番上の「引っかけ部分」に特に負担がかかるので、ここを工夫してピンポイント的に強度を増して作ってあります。見た目ではわからないように作ってあります。
あとひとつは、メンテナンス性の高さです。ここが鉄製品のとても優秀な部分。ちょっとぶつけて穴が空いたり、部分的に錆びてしまっても、溶接補修すれば現役バリバリに戻すことができます。これがアルミ既製品にない「長い相棒」になるメリット。職人さんの命を預かり、目をつぶっても手になじむ商売道具になります。
さらに進化を続ける特注ハシゴ
2年に1度、彦星よりも遅れて「どもー。また作ってください!」と来てくれる看板屋さん。
ハシゴの耐久年数が2年ということではありません。作ったハシゴたちは今も現役でずっと活躍しています。しかもほとんど補修なしです。
さすがプロだなと感心してしまうのですが、2年くらい経ったあと「もっといいハシゴにしたい」とアイデアを練って再来してくださるのです。そのプロ意識には頭が上がりません。
ベースの設計は同じでも、毎回少しずつ改良を加えたり、仮設を立てて変更を加えたり・・。この特注ハシゴはロットを変えるたびに生まれ変わっています。
道具は消耗品ではなく相棒だ
「ハシゴは消耗品ではなく、金を生む大事な商売道具だから」と看板屋さん。ハシゴを消耗品ではなく、大切な相棒として使っていきたいという言葉は、もの作りをする私たちには本当に励みになります。
オーダー製作をモットーにする鉄工所の私たちが、まさにお役に立てる場面です。
また2年経って、忘れたころに「こんちは~!」とガレージをノックしてくれるのを待っております。ご用命ありがとうございます!