地主さんならお持ちかもしれない「井戸」。そのポンプ設備を保護するために鉄製のポンプ小屋を作りました。オリジナル品専門の鉄工所として喜んでお受けします。ところで、今回のポンプ小屋には「こだわり」のポイントがあります。
それは「誰でも簡単に組み立てられること」です。
井戸のポンプ小屋を作る理由
ある日、地元の名士さんからご連絡をいただきました。「うちの散水用井戸のポンプをカバーしてもらえないかな」と。
東京都の地盤沈下対策による揚水規制の動きからポンプ設備の見直しを必要とされたオーナー様。そこで鉄工所の私たちに「ポンプ小屋」の製作をご依頼いただきました。
求めるのは保護とメンテナンス性
こちらが散水用の井戸。揚水ポンプが穴に向かって伸びています。
井戸の開口をふさぐこと。また、ポンプ設備の保護とメンテナンスしやすいようなボックスを製作する・・というのが今回の鉄製ポンプ小屋のテーマです。
井戸の開口を縞板鋼板でふさぐ
まずは井戸の開口にほこりがゴミなどが転落しないようにフタをします。ポンプ配管の部分だけをカットして通しています。
フタは「×模様」のついた縞板鋼板(チェッカープレート)です。開け閉めがしやすいように取っ手をつけておきます。
また、小屋を建てるための水平な土手をぐるっと囲うように設けます。井戸の縁部分に土砂ホコリが入らないようにもなります。建物の基礎にも似てますね。
いよいよポンプ小屋組み立て
ポンプ小屋をそのまま搬入できないので、工場でパネル状に加工して、現地で組み立てできるように製作します。
ポンプを囲うように4枚のパネルで小屋を作っていきます。あちこちに穴が空いているのは、通風孔になったり、メンテナンスのための扉になったりします。
・・なんだか大きなパソコンの筐体を作っているような気持になってきます。
通風孔はこのような形で既製品を利用します。通気性もしっかり考えてますから、なかなか本格的なポンプ小屋ですよ。
ポンプ小屋の屋根をつける前に、上から覗くとこのようになっています。井戸のフタになっている縞板鋼板が見えます。ポンプもその配管も、すべて小屋の中に守られています。
ポンプ小屋の正面です。施錠できるうように作ってあります。メンテナンスのための点検扉にもしっかり換気ガラリを設けておきました。
小屋の壁となる4方向のパネルと屋根のパネルはパチン錠で施錠してあるので、簡単に屋根パーツを外すことができます。
金属部分はすべてボンデ鋼板で製作。外形は幅が1.6M、奥行き1.4M、高さは1Mです。大人が2人くらいは入れてしまう大きさですね。
ポンプ小屋のココにこだわった!
今回、ご注文をいただいた鉄製のポンプ小屋には、どうしても「ココにはこだわりたい!」というポイントがありました。
それは「誰でも簡単に小屋をバラしたり組み立てたりできる」ということです。
タネ明かしをしますと、この小屋は工具なしで分解~組立が可能となるように設計しています。
このポンプ小屋は、設備保護とメンテナンスという重要な機能を持ちつつも、いざという時には簡単に解体できるようして、オーナー様が自由に使えるように作ったのです。
オーダー金物の真骨頂!オーナー様のお役に立ててよかったです。ご用命いただきありがとうございました。