「滑らない手摺」のアイデアはどうやって生まれたの?

ステンレス手摺だけど手が滑らない

今回作ったものは「滑らないステンレス手摺」です。ただのステンレス手摺ではありませんよ。電気工事で使う「あるもの」を使ってアイデア手摺を作ってみたのです。アイデアはどうやって生まれるの?どこからやってくるの?

鉄創庵ラボの第2段は滑らないステンレス手摺?

またもやアイデア製品を作ってみましたのでご紹介。今回は持ち手がステンレス製丸パイプ手摺をご注文いただいたのですが、「アイデアはおまかせ!」とお施主様からオーダーをいただき、社長の横山が考えたオリジナル手摺です!

ご高齢の方もご利用になるという室内の階段に手摺を製作することになったのですが、やはり金属の手摺はちょっと滑るのです。そこで社長の横山は考えました。

「手摺にゴムが着いてたら滑らないんじゃない?」

SUS製丸パイプ手摺

上の写真は通常の丸パイプ手摺。皆さんどこかで一度は見たり使ったりしたことがあると思います。駅やお店の中に金属製の銀色の手摺があれば、たいていそれはステンレス製の手摺です。

このように、握るところは丸パイプとなっていて、金属独特のスベスベ感があります。

さて、これをどのように滑らない手摺にしていこうか・・・?

アイデアは社長がふらっと持ってきた

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数日後、DIYショップからニコニコ顔で戻ってきた社長が手にしていたのは「ゴムブッシング」。

ゴムブッシングは、電気工事で使われるゴムのパーツです。本来はパイプの中に通線した電線をパイプから出すときに、電線がパイプの穴に引っかかって傷つかないように作られたドーナツ型のパーツ。

・・・すみません、何を言っているのかわかりませんよね・・。

ドーナツみたいな形をしたパッキンゴムなのです!!(開き直る)

これを手摺に穴をあけてはめ込みます。本来はここから電線がひょこっと出てくるのですが、今回はこれで完成形。一定のピッチで穴を開けることで、手摺を握ったときにゴムブッシングでグリップでき、手が滑らないようになっています。お客様も大喜び。

オリジナルを創るアイデアはどこから生まれる?

室内のステンレス手摺

アイデアはゼロから生まれるものもあれば、元々あるものの組合せから発見されるものもあります。今回の鉄創庵ラボの「滑らない手摺」は、異業種パーツの組合せで作られたものです。

これぞ、自由な発想で製品を作るオーダー金物の醍醐味。アイデアというと「何か革新的でドラスティックな・・・」と、つい頭を抱えてしまいますが灯台下暗し。一度コーヒーでも飲んで「ふぅ」とひと息ついたときにパッと思い浮かんだり、普段使っているものが何かヒントをくれるかもしません。

オリジナルを創る私たち鉄工所だからこそ、概念にとらわれない自由な気持ちを大切にしたいものです。